サピエンス全史(第三章 人類の統一)

 

 

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つづいて「第三章 人類の統一」です。

 

 

【世界は統一に向かっている】

 

短期間で見れば、民族自決的な国発生があるが、数千年のスパンで見れば

明らかに統一に向かっている。

 

この中で果たした役割が大きいものとして「貨幣」「帝国」「宗教」をあげている。

 

大半の時代、人類世界は5つにわかれていた。

人口の9割はアフロユーラシア世界にいて、

メソアメリカ世界(中央アメリカ周辺)、アンデス世界(南アメリカ西部)、オーストラリア世界、オセアニア世界が

残りの4割だった。

ここ300年でアフロユーラシア世界が全世界を飲み込んだ。

そしてグローバル化が進み、それはもう後戻りできない。

食生活含め混じっている。

 

この分断のとき、すでに南北アメリカ大陸とアフロユーラシア大陸が接触ないのに、どちらの大陸も貨幣があった。

それが金だったり銀だったり貝殻だったり紙幣だったりというのは国によりばらばらだが、

どの商人もどの通貨もありがたがって使ったという事実。

 

貨幣というものについて取り上げている。

 

その次に「帝国」。

帝国というと悪いイメージもあるが、国を束ねるための術としてはいいのだと思う。

それにより世界が広がり、空白がなくなったのは確かだろう。

ただ、アレキサンダーの帝国も、モンゴル帝国も、長くは続かなかった。

しかし統一への影響はあっただろう。

 

そして、「宗教」

スペイン・ポルトガルが覇権を握り始めた1500年前後。

それまでと違ったのは二つあった。

第4章で出てくる「技術」の進歩(差別化)、そして宗教。

 

ローマ帝国はキリスト教を国教としたし、イスラム帝国はイスラム教を国教とした。

「宣教」という目的を持った宗教はこの二つだけ。

 

それまでの宗教はユダヤ教に代表されるように「自分たちの宗教」であり、宣教の意味はなかった。

また仏教や儒教などはそれを普及させる動機(使命)はなかった。

 

それに対して、キリスト教の普及を大義名分の一つにしたのがキリスト教国。

 

これは多神教と一神教の違いもある。

一神教であるが故に宣教が必要になったという話。

 

これも第4章で出てくるが、各「新世界発見」は「科学調査(生態など)」と「布教」「軍隊」の混合軍。

 

宗教があるが故に、原住民の抹殺も自分たちの中で消化してしまった。

 

 

【主な気になった文章抜粋】

※この第3章は上下巻にまたがる。

 

【上巻】

・P211 だが、馬を乗りこなすアメリカ先住民は古代の純正な文化の擁護者ではなかった。

・P219 大勢の専門家を結びつけるための、もっと手軽な方法を発見した。貨幣を創り出したのだ。

・P235 二一世紀の人々のほぼ全員が、いずれかの帝国の子孫なのだ。

・P242 お前たちを征服するのは、お前たちのためなのだ。

 

 

【下巻】