ブラックアウト。
人生で初めて経験。
2018年9月6日3時、札幌で寝ていた私は何か予感がし目が覚めた。
瞬間激しい揺れに襲われる。
観測史上震度5がなかった札幌市で震度5を観測した地震である。
私は重大にとらえず、Facebookを開き投稿を見ていた。
「停電」という投稿があり、私も家の電気をつけようとした。
つかない。テレビもつかない。
すぐに復旧するだろうと眠かったことし寝てしまい6時に起きる。
おかしい、まだつかない。
何が起きているのか把握するために外に出てコンビニに向かう。
コンビニが満員電車状態。
交差点に出てみる。信号がついていない。
大規模停電が起きていることをようやく把握できた。
幸い天気がよく明るかった。
ノートPCが2台あり充電された状態であったため、パソコンで情報収集を始めながら携帯電話も充電する。
北海道全体で停電が起きたらしい。
家にあったのは缶詰2つとチーズ、チョコレート。
1日食べなくてもなんとかなると楽観視していた私は、自転車でスーパー回っても混んでいるし、お年寄りや子供の方が何か食べないとまずいだろうと思い、セイコーマートでお菓子を買っただけで再び家に戻る。
この段階ではその日のうちに復旧するだろうと考えていた。
しかし復旧しない。心が暗くなる。
家電屋さんはやっているだろうか?
家から自転車で家電屋に向かう。
開いていない。
その途中にあるNTTドコモの拠点に多くの人が並んでいる。
どうやら充電所を開設しているようだ。
並ぶことにした。
並ぶこと1時間30分。ようやく充電スペースを確保できた。
充電しながら情報収集再開、タブレットでテレビが流れていた。
そう、停電していたためテレビを見ていなかった。
西日本を大型台風21号が襲ったばかりであったにも関わらず、どうやら全国的に北海道のニュースが流れているようだ。
ここで充電がなんとかできそうなのでほっとし、FacebookやTwitterで情報を集めたり、自身で投稿したり、レスを見る。
Facebookに最初に地震停電と書いた投稿には多くのイイネやメッセージがついていた。
多くの人が心配してくれている。少し心が明るくなった。
充電を完了し家に帰るとき、途中は信号がついていた。
復旧したんだ! と思った私は少しうれしくなり家に近づく。
おかしい、家の近所の信号はついていない。
家は真っ暗。
マンションの入り口も真っ暗でよく見えない中部屋に入る。
心が暗くなる。
3月末に引っ越してきた私は色々なものを処分し新たに購入した。
しかし懐中電灯はない。
新たに購入したものはテレビや冷蔵庫など電気がないと何もできないものばかり。
普段から備えていないことを深く反省した。
物資不足が長引くかもしれない。家にある缶詰はもう空腹が限界になるまでは食べないようにしよう。
寝る前に外にでて上を見た。
うまく写真を撮れなかったが、夜空の星がきれいだった。
夏の大三角形がよく見えた。
地上は暗いが空は明るいな。
何かのメッセージだろう。
少し心が明るくなる。
翌朝、電気をつける。つかない。
携帯電話の充電が少なくなる。パソコンも1台はほぼ充電がなくなった。
再度NTTドコモに行き1時間並び充電する。
会社は電気が復旧しているようだ。
普段地下鉄で通勤している会社に自転車で向かう。
繁華街ススキノを通る。
いつものにぎやかな感じはないが、電気がついているコンビニがあり、おかしや飲み物を補給。
会社に近づくと蕎麦屋がやっていた。
店員さんが具材の関係で蕎麦しか出せないと申し訳なさそうに言う。
蕎麦が食べたいです、といって注文する。
久々の食事らしい食事。
心が明るくなる。
会社につくと電気があり、家から持参したパソコンも充電する。
地震が発生したのは木曜日で仕事もたまっていたし、電気を気にせず各所と連絡できるのは非常にありがたい。
でも家が復旧したかわからない。ネットでチェックしてもよくわからない。
夜21時ごろに家に向かう。
36号線という大きな通りをまっすぐ進む。
そこには感動の風景があった。
目の前のまっすぐ進む道。信号が先まであるわけだが、すべての信号が点いている!
途中で雨に降られたが、歓喜のシャワーを浴びながら家に着く。
マンションの玄関も電気がついている。
家に入りスイッチを押す。電気がつく。
救われた。
Facebookを見ると、多くの歓喜の声があがっていた。
翌日再開した家電屋さんに行き、充電式の充電器を購入。
乾電池式は売り切れてなかったが、10日に東京に行く用事があり東京で購入。
東京で会った人もみな心配していてくれた。
今回学んだことが多くある。
日ごろの備え、友人の大切さ、情報を迅速に集める工夫。
充電式の充電器と乾電池式の充電池、懐中電灯を揃え、置き場所を決める。
すぐ出せる場所がいい。
北海道はバーベキューする人が多く、炭があるといい。
友人の大切さ。励ましが前向き力になる。必要な情報を代わりに探してくれる。
情報。ウェブサイトやtwitter等で何が必要なのかを考えブックマークやフォローしておく。
この地震を経験し、世の中が明るくなったように感じる。
もちろん、厚真町や安平町などのように大きな被害があり亡くなった方も多い。
しかし、生き残った私たちの前途は明るくなった。
大変な思いはしたけど、備えの大切さ、友情の大切さ、情報の大切さに気づいた人は多い。
もうあの美しい夜空を札幌で見ることができないのが残念だが、もう物資も電気も大丈夫。
地震から1か月。