副業で本業の予行演習し給料もあげる

働き方改革が叫ばれ、その中で副業の解禁の話題が増えてきました。

 

私も2017年3月まで17年間会社の取締役(副社長や社長)を務めていたため、この副業に関しては過去に色々考えたことがあります。

 

当時は申請があれば条件付で副業を認めていました。

本業とシナジーがある場合や、入社当時から理由に納得していた場合などです。

 

前職退社後はフリーランスとして1年間活動し、今は会社に所属しながら個人の仕事もしています。

副業はあまり積極的に取りにいかずに抑えていますが、副業の制約がないことを会社に所属する条件にしていました。

 

副業を認める側、フリーな立場、副業しながら会社に所属するという3つの立場を経験し、副業に対する私の考えは固まりました。

 

副業を必須にすべきと思うぐらい副業を推奨します。

 

副業をするメリットは下記3点です。

・副業をすることで本業の制約によるストレス解消・成長機会獲得だけではなく、本業にもいい効果がある。

 本業はその会社で受注した仕事しかできないので、そこではできない仕事を副業でやることで新しいスキルの習得や幅を広げることができます。

・ビジネスの理解が深まります。

 本業がそれなりの組織であれば、分業されているでしょう。

 営業や技術、管理などが分かれており全容をつかむのが難しい。

 しかし副業をフリーランスとしてやればそれらを把握できます。

・経費の損金化

 本業に直結する内容のセミナー参加費や書籍費は会社負担があるかもしれませんが、本業で今はやっていない新しいスキルを勉強する場合は会社負担にならない場合も多く、勤務外の参加になることが多いでしょう。

 そういう場合の費用を副業の方で経費にすることができます。

 学習意欲旺盛な人であれば、副業で稼いだお金で自己投資をしそれを経費計上することで節税にもなります。

 

このように本人にとってメリットが多い副業ですが、会社にとってもメリットがあります。

一番は会社がまだ注目していない近似領域を社員が副業で身に着けることで、将来そちらの領域に参入する際にスムーズに入れるということです。

 

しかしデメリットはないでしょうか?

もちろん個人・組織それぞれにあります。

 

個人にとってのデメリットは下記3つです。

・時間が取られ疲れる。

 これに関しては時間の融通が利きやすい仕事をやることで回避できます。

 本業並みかそれ以上の時間単価を取れる仕事をやることも大事です。

 

・経理などの手間がかかる。

 昨今フリーランスを助けるサービスは増えています。

 それらを使えば手間は減りますし、経理の仕組みを理解する機会と捉えましょう。

 

・解雇されやすくなる恐れがある。

 これはよく言われますが、実際は逆です。

 副業でスキルがあがった社員を解雇する馬鹿な経営者がいるでしょうか?

 むしろ給料など条件がよくなる可能性があります。

 

組織にとってもデメリットがあります。

・時間管理の手間がかかる。

 副業を雇用形式でされると、本業の会社がその時間管理をする責務があります。

 しかしフリーランス形式(業務委託)の副業であればその必要はありません。

 

・社員の疲労によるパフォーマンス低下の恐れがある。

 これは時給が安く時間拘束のアルバイトをされるとこの懸念はあります。

 そういう副業を認めず、本人のスキルを活かした高単価で自由な副業のみ認めればこの心配は減ります。

 

・副業がうまく行き独立される。

 これが一番あるでしょう。しかし変化が激しいこのご時世副業で独立できるぐらいのスキルがある社員が必要です。

 働き方の自由は優秀な社員を獲得する必須条件になるでしょう。

 

ここまでで気付かれたでしょうか?

 

副業をお金だけのためにやったり、時間拘束の雇用形式でやってはうまくいかないのです。

例えば、本業で月給30万円の人は時給換算すれば2000円弱です。

 

もし飲食店やコンビニのアルバイトをやったら時給は1000円~1500円ぐらいでしょう。

このような副業を選ぶ人はお金のためだけにやるはずですね。

それであれば1万や2万ではなく、5万円ぐらい稼ぎたいですよね。

そうすると月に30~50時間も働く必要があります。

つまり週10時間も本業とは別に拘束されます。

これでは、疲労も溜まるし、融通も利かないし、プライベートの予定が立てにくいし、会社にも法律に基づき申告しなければいけません。

 

副業の疲れが本業に悪影響与え、スキルのアップも遅くなり本業の給料があがらない上に、社会保険負担も増え、税金も増え、働いている割に手取りが増えない悪循環に陥ります。

 

それに対して本業と関連がある仕事をフリーランスでやってはどうでしょうか?

得意なことであれば5万円ぐらいは20時間程度で稼げます。

そして時間に制約がないものにすれば、週によっては何もしないなど調整ができます。

 

さらにそこでやってみた経験をそのまま本業に活かしたり、本業の経験を副業に活かせば、双方の時短にもつながります。

副業は時間単価がさらにあがります。

 

そして、本業でも残業を減らせますし、副業で身に着けたスキルを活かせる場面が増えれば会社にとっても貴重な人材になり、給料があがります。

 

副業をすることで、時間の余裕が増え、給料があがり、総収入が増え、経費も使いやすくなり、さらにスキルがあがるという正のスパイラルが回ります。

 

副業に活かせるスキルがない場合は、本業に集中し学習時間を確保し、副業に活かせるスキルが身についてから副業をする方がお金も溜まります。

 

副業をする際は、お金以外の目的をしっかり持ち、キャリアビジョンを考え、本業との相乗効果をあげることを考えましょう。

会社も個人もハッピーになる副業生活で本業の給料もアップしましょう。