日本の観光を考えるために観光立国基本計画を改めて読んだ

新型コロナウィルスに大きな影響を受けている観光業。

GWに予定した旅行を中止したこともあり、その時間を利用して観光に関する法律や国の方針を改めて勉強していました。




【観光立国基本計画】

観光立国基本計画は過去に3回立てられています。

2007年6月(安倍内閣閣議決定)

 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kanko2/kettei/070629/keikaku.pdf

2012年3月(野田内閣閣議決定)

 https://www.mlit.go.jp/kankocho/news01_000139.html

 https://www.mlit.go.jp/common/000208713.pdf

2017年3月(安倍内閣決定)

 https://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_000307.html

 https://www.mlit.go.jp/common/001299664.pdf

 

5年置きです。

 

これにつなるのが2003年小泉首相による観光立国宣言であり、2006年12月観光立国推進基本法成立になります。 https://www.mlit.go.jp/kankocho/kankorikkoku/kihonhou.html

 

【地域限定旅行業と地域限定旅行業務取扱管理者】

この流れの中で、2012年12月に地域限定旅行業の制度が始まり(https://www.mlit.go.jp/kankocho/news06_000162.html)、そこで必要になる旅行業務取扱管理者の地域限定バージョンとして2017年3月には地域限定旅行業務取扱管理者が新設されました。

 

※個人的な意見ですが、この地域限定旅行業務取扱管理者は趣旨はいいですがやり方がいまいちと思っています。受験者の需要を少ないと予想したためか、東京と大阪でしか受験できません。

この制度を普及させるには総合・国内同様に全国で受験可能にしないといけないし、オンライン型試験の創設など大幅な普及施策がいると思います。

現状だと総合もしくは国内の旅行業務取扱管理者を取得するほうがリーズナブルになります。

 

【その他のトピック】

他のトピックとしては、最近力を入れているMICEについて、2012年12月に最初のMICE国際競争力強化委員会企画小委員会が開催されています。

通訳案内士が独占業務でなくなり、地域通訳案内士が始まったのが2017年です。

2011年から特定地域では無資格者でも案内できるようになっていましたが、2017年には名称独占ではあるものの業務独占ではなくなっています。

 

このように5年ごとに作られる観光立国基本計画の都度、大きな変更が加えられる傾向があります。

今回の新型コロナウィルスを経て、2022年にはどのように改定されのか注目です。

 

この観光立国宣言以降のポイントは下記ではないかと思っています。

 

【ポイント】

・MICE、ATなどこれまで強くなかったジャンルの強化。その中にIRが入ってくるかどうか。

・地域限定旅行業や通訳案内士のさらなる規制緩和があるのかどうか。

 受験しやすさを重要と思っています。

・東アジア圏以外の観光客をどれだけ増やせるか。

・日本人の国内旅行の数と平均宿泊数を増やせるかどうか

 

この15年、インバウンドは拡大してきましたが、国内旅行については増えたり減ったりで横ばいという実態があり、世代も偏っているように感じます。